コラム/Category03
皮膚科全般
2022年1月
カテゴリ03 皮膚科全般
アトピー性皮ふ炎
アトピー性皮ふ炎はかゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
多くは乳幼児期に発症し、年齢と共に治る場合が多いのですが、大人になっても治らない場合や、成人になってから発症した、というケースもよく見受けられるようになりました。
また、治っても再発する場合もあり、再発した場合は治りにくいとも考えられています。
原因については現時点で完全に特定されてはいませんが、本人にアトピー素因がある、もしくは家族にアレルギーの方がいるとかかりやすいと言われています。
アトピー素因とは、アレルギーを起こす物質(アレルゲン)にたいして、反応しやすい体質のことです。
アトピーの主な原因としては以下の二つが挙げられます。
正常な皮ふには“バリア機能”が備わっています。このバリア機能が低下すると外的刺激を受けやすくなります。
具体的には、アレルゲン(ダニ、埃、カビ、花粉等)、細菌・ウィルス、化学物質、大気汚染物質、紫外線、汗など、あらゆる外部からの刺激が、皮ふの内部へ到達しやすくなってしまいます。
外部からの刺激により痒みが起き、皮膚をかきむしることで炎症や湿疹が悪化してしまいますと、バリア機能は更に低下し、また酷い痒みが起きるといったような悪循環に陥ってしまいます。
・免疫機能の異常
免疫機能の異常とは入ってきた刺激、つまり接触や、食べた物、環境アレルゲンなどに対して身体が過剰にアレルギー反応を示して炎症を起こすことです。
通常、外部からの刺激に対して人間の体は抗体を作り体を守りますが、体質的に「Ige」という抗体を作ってしまう人もいます。この「Ige」が体にかゆみや炎症を引き起こしてしまいます。これが俗にいうアレルギー反応といわれるものです。
この体質は主に遺伝が関係しているといわれ、アレルギーに悩んでいる方はご家族にアレルギーを持っている方や喘息持ちの方がいる場合が多いようです。
アトピー性皮ふ炎の治療では、アレルギーの原因となるアレルゲンを特定するため、血液検査や皮ふ検査を行います。
主な症状
特徴的な湿疹(赤みがある・盛り上がりがある・しこりがある・水分が多い)
慢性的に湿疹がある、もしくは慢性的に湿疹を繰り返す
皮ふが厚くなる(掻く事を繰り返す事による)
毛穴が盛り上がった鳥肌のような皮ふで、ザラザラし
ている
全身の皮ふの乾燥とかゆみがある
額や目の周りに赤みがみられる
主な治療法
基本的にアトピー性皮ふ炎は体質のようなものであるため一部自然に治る人はいますが完治させることは困難ですので主に対症療法となります。皮ふ症状につきましてはステロイドの外用剤を使用し、かゆみの症状が強ければ抗アレルギー薬の飲み薬を用います。
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「ニキビ」について
今回はお悩みの方が多い「ニキビ」についてお話したいと思います。
夏に向けてきれいな肌でおしゃれを楽しみたいと思っている方は多いのではないでしょうか。
治療を行うにあたって、まずとのようにできるかを知ることが大切です。
ニキビができるメカニズムは次の通りです。
①皮脂分泌の増加
②毛穴のつまり
③アクネ菌(ニキビ菌)の増殖
ニキビは皮脂が多く出たり、毛穴の出口がつまることで、毛穴に皮脂がたまってしまうことから始まります。
この状態をコメド(面)と呼び、いわば隠れニキビの状態です。
毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症を引き起こすと、赤ニキビや化膿ニキビとなり、ニキビ跡を残しやすくなります。
赤ニキビが直っても隠れニキビからまた赤ニキビができてしまうことがあり、繰り返すニキビループを断ち切るためには、①②による隠れニキビと③による赤ニキビの両方を治療することが大切です。
昨今では、マスク生活があたり前になっているため肌への負担はどんどん増えていっている状況です。
他にもストレスや食生活の乱れなど理由は様々ですが、紫外線や夏場によく使うウォータープルーフの日焼け止めや密着性の高い化粧下地なども毛穴を刺激している要因になっています。
こまめに汗を拭くことや、きれいに洗浄した後はしっかり保湿をするなどしてお肌のケアをしていきましょう。
当院では、医師推薦の日焼け止め、保湿クリームの販売や、できてしまったニキビの治療に刺激の少ないケミカルピーリングもご用意しております。
セルフケアだけでは不安という方は、ぜひご相談にいらしてください。
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帯状疱疹
今回は「帯状疱疹」についてお話したいと思います。
帯状疱疹は、免疫力が低下することで発症する病気のため高齢者がかかりやすいと言われていますが、最近ではストレスや疲労などから若い方の発症率も上がってきている状況です。
身体(左右のどちらか)にピリピリと刺すような痛みがあり、その後に水ぶくれを伴う赤い発疹が帯状に現れます。
痛みの程度は様々ですが、強い痛みで日常生活に支障をきたす方も少なくありません。
実は、放っておくと痛みが残って治りにくいだけでなく、頭痛や発熱などの全身症状や、感覚器(目や耳)の神経に後遺症をもたらしてしまうことがあります。
「仕事が忙しい」や、「外出は控えたい」などの理由から痛みを我慢してしまう方が多いのですが、帯状疱疹の治療はなるべく早く行うことが大切です。
特に若い方は、高齢者の病気だと思って帯状疱疹に気づかれない方もいらっしゃいます。
じっとしていても身体が痛いなどの症状があった場合はクリニックへいらしてください。
また、当院ではワクチン(※)も取り扱っております。
発症や重症化を抑えることができますので、ぜひご検討ください。
※50歳以上の方が対象になります。
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「ワキの汗」お悩みですか?
今回はなかなか人に相談しにくい「ワキの汗」についてお話したいと思います。
ワキの下は緊張やストレスなどの精神的刺激と、気候などによる温熱刺激の両方で発汗が促進されるため、もともと汗を多くかきやすい部位です。
体質で汗が多いという方はいますが、服の汗染みが目立ったり人目が気になるなど、日常生活で困るほどの汗が出る場合は『多汗症』という病気があります。
特に汗の量が多くなる病気や障害がないワキの多汗症を『原発性腋窩(えきか)多汗症』といいます。
ワキの汗に注目されそうなので人前に出たくない、常に汗のことが気になってタオルを持ち歩いたりシャツを着替えないといけない、など実は腋窩多汗症でお困りの方は少なくありません。
日本人での有病率は5.8%、日常生活に支障をきたす重度の患者さんは全国に220万人以上いると推定されています。
しかし、体質的なものだからと諦めていたり、そもそも病気と認識していない方も多く、重症の原発性腋窩多汗症は保険適応で治療ができることはなかなか知られていません。
何科にかかったらいいのかもわからない、という方も多いのではないかと思います。
治療方法は塗り薬、注射薬、内服、手術などがありますが、当院では重症の方に適応のある塗り薬と注射薬ボツリヌス療法をご紹介しています。
塗り薬は1日1回直接わきに塗り、6週間を目安に効果判定を行います。
注射薬は、診療ガイドラインでは塗り薬で効果がみられない場合の治療と位置づけられています。
1回の注射で効果が4~9か月持続しますので、年1~2回の注射で汗を抑えることができます。
保険適応で3割負担の方は約28000円です。
今まで人知れずお悩みだった「ワキの汗」、治療の適応となる場合があります。
どうぞお気軽にご相談ください。
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花粉と皮膚 その肌荒れ、花粉から?
こんにちは。水曜日皮膚科担当の牧です。
そろそろ花粉症の方には辛い季節になってきました。
花粉症はくしゃみ、鼻水、鼻づまりが主症状ですが、その他に目のかゆみや喉のイガイガ、また意外と知られていませんが皮膚の症状があります。
目の周りや頬が赤く痒くなったり、なんとなく顔全体がチクチクとかゆいような感じなど、皮膚の不快感を感じる場合はもしかしたら花粉による皮膚症状かもしれません。
当院では曜日ごとに内科と皮膚科の診察を行っておりますので、くしゃみなどの症状がメインの方は内科で、皮膚症状がメインの方は皮膚科的アプローチから診察することが可能です。
◆花粉症のアレルギー検査、舌下免疫療法について◆
当院では指先に小さな針を刺して採取したごく少量の血液からアレルギー検査をすることができます。
約20分で結果が出ますので、当日中に結果をお伝えしお帰りいただけます。
測定項目はハウスダスト系(ダニ、ネコ、イヌ、ゴキブリ)と花粉系(スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ)の計8種類です。
スギ、ダニによる花粉症やアレルギー性鼻炎であることが確認できた方には舌下免疫療法が適応となります。
治療期間は3-5年が推奨されています。
スギの場合は花粉飛散が終わる初夏頃から治療開始、ダニの場合は時期に関係なく治療が開始できます。
どうぞお気軽にご相談ください。
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美容皮膚科始めました。
こんにちは。水曜日皮膚科担当の牧です。
皮膚科の保険診療に加え美容皮膚科(自由診療)を始めました。今日はケミカルピーリングについてお話したいと思います。
「ケミカルピーリング」と聞くと皮膚が真っ赤になったり痛いというイメージがあるかもしれません。
現在主流のケミカルピーリングはそういったイメージとは異なり、皮膚の刺激作用は少なく赤みや皮むけ、痛みなど心配するような副作用はほとんどありません。
当院ではサリチル酸マクロゴールという薬剤を使用しています。
方法は、5分間塗布して洗い流すというごく簡単なものです。
ニキビ肌、毛穴づまり、脂性肌にはもちろんのこと、はり、小じわ、くすみ、肌キメの整え、美白、アンチエイジングにも効果的です。
これは真皮コラーゲン産生や肌の新陳代謝が促進されるためで、1か月に1回の施術を繰り返すことにより徐々に効果が現れます。
少なくとも4回ほどは繰り返していただくことがお勧めで、「ツルっ」と「サラッ」と「もちもち柔らかい肌」が実感できると思います。
当院では施術前に必ず医師が肌状態をチェックしてから行います。
興味はあるけれど肌が弱くて心配、今の肌の状態でできるのか?背中にもOK?など気になることがあればお気軽にご相談ください。
アフターケアで使用するビタミンCローションや保湿乳液、日焼け止めも購入できます。
またしみに対してハイドロキノン外用薬やシナール・トランサミン内服薬もご用意しておりますので、お声かけください。