診療内容/循環器内科
循環器内科
◆循環器ってなに?
循環器とは、血液を身体に循環させるための器官のことです。
そのため、循環器科では主に血管と心臓に関連する症状が診察内容となります。
◆こんな症状は要注意!
日常的に息苦しさを感じる。
“息苦しさを感じても休むと落ち着く”という状態を繰り返す。
めまいや立ちくらみが頻繁に起こる。
締めつけられるような胸の痛みが起こる。
◆当院での検査方法
【胸部レントゲン】 心臓の大きさや形から心臓への負担の程度を確認します。
【心電図】
検査方法
院内で心電図を一定時間貼り付けて心臓のリズム乱れ波形の変化を確認します。
小型軽量の装置を身につけて、日常生活中の長時間の心電図を記録し、心臓のリズムが正常か確認します。
特徴
・ 安静時に一定期間心臓のリズムを記録する。
・ 短時間で検査可能。
・ 普段の生活行動・形態の中で心臓のリズムを記録することで、診察中には見つからなかった疾患が発見できる可能性がある。
・ 24時間装着する必要がある。
◆循環器に関する代表的な症状
動悸
動悸とは、意識しなくても心臓の拍動(ドキドキするや、ゆっくりだが一拍ずつ強く打つ等)を感じるような状態のことをいいます。
動悸は心因的(ストレスや緊張等)なことが原因で起こるものは心配ありませんが、心臓の疾患が原因で起こっている可能性もあります。
このような症状がある場合は受診することをお勧めします。
・ 日常生活に支障をきたしている
・ 動悸が繰り返し起こる
・ 数分以上も動悸が続く
・ 息切れ
・ めまい
・ 倦怠感
・ 意識を失う
胸痛
胸痛とは、胸が締め付けられるような痛み、重苦しさ、圧迫感のある痛みがあることをいいます。
重篤な心臓の疾患が原因で起こっている可能性があるため、胸痛が頻繁に起こる、長時間苦しいなどの症状がある場合は早めに受診することをお勧めします。
呼吸困難
呼吸困難とは、息切れや息苦しさなどの呼吸をするときの不快な感覚のことをいいます。
運動をした後に起こる息切れなどは問題ないものもありますが、例えば夜中に息苦しさで目が覚めたり、突然息が吸いにくくなるという症状がある場合は注意が必要です。
また、呼吸が苦しくなることで咳や痰がよく出るという症状になる場合もあります。風邪や気管支の疾患ではなく、心臓の疾患が原因でこのような症状が出る場合もありますので気になる症状がある場合は早めに受診することをお勧めします。
◆循環器に関する代表的な疾患
不整脈
不整脈とは、心臓を動かすための電気系統に異常が起きることで脈が異常に早くなったり、遅くなったりと心臓の動作に異常をきたしている状態のことをいいます。
自覚症状としては“動悸が頻繁にある”や、“意識が遠のく”等が挙げられますが、自覚症状が全く感じられず、心電図をとって初めて不整脈だと知るケースも少なくありません。
不整脈といっても、緊急性があるもの、緊急ではないけれど治療が必要なもの、治療の必要がないものと分かれているため、まずは不整脈の原因をきちんと検査し、治療をしていくことが大切です。
高血圧症
高血圧症とは、上の血圧が140mmHg以上、もしくは下の血圧が90mmHg以上で、安静時でも慢性的に血圧が高いことをいいます。
自覚症状がないまま進行してしまうケースが多く、放置していると血管が硬くなる動脈硬化が起こり、脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞、慢性腎臓病などの重大な病気につながることもあります。
原因として考えられるものは、塩分の取り過ぎや肥満、ストレス、運動不足など生活習慣による要因や、体質などの遺伝的要因、腎臓疾患や内分泌異常、心臓や血管の異常などがあります。
高血圧の原因を検査し、治療をしていくことが大切です。
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中の中性脂肪やコレステロールなどの脂質の代謝が正常でない状態のことをいいます。
自覚症状がないため、定期健診で初めて異常を知る人も多いのではないでしょうか。
放置していると、血管の内側に脂質がたまり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気を引き起こす可能性があります。
原因は体質などの遺伝的な要因や、食生活の乱れ(過食、脂肪の多い食生活)からくる体重の増加、運動不足などです。
食事や生活習慣を見直し数値の改善をはかりますが、改善されない場合は内服薬などで治療をしていく必要があります。
動脈硬化
動脈硬化とは、血管、とくに動脈が弾力性がなくなりもろくなることで、血管の壁内に粥状の塊ができて血管の内腔が狭くなってしまう状態のことをいいます。
とくに心臓を養う冠動脈や、脳を養う頚動脈、大動脈といった動脈に起こりやすく、それが心疾患や脳障害などの重大な疾患を引き起こす要因となっています。
動脈硬化の進行は自覚症状がないため、疾患が引き起こされて初めて動脈硬化が進んでいたと知るケースも少なくありません。
動脈硬化は誰でも年を取れば進行していきますが、進行を加速させてしまう要因としては以下のようなものが考えられます。
・ 高血圧
・ 脂質異常症
・ 糖尿病
・ たばこやアルコールなどを過剰に摂取している
・ ストレス
食事や生活習慣を見直し、内服薬などで治療をしていく必要があります。
虚血性心疾患
虚血性心疾患とは、心臓を構成する筋肉(心筋)に酸素と栄養を送る冠動脈に障害が起きることをいいます。
心臓に栄養と酸素が十分に届かないため、心臓の働きが悪くなってしまいます。
胸痛だけでなく、左腕や背中に痛みや圧迫感が症状として現れることがあります。
動脈硬化が進行することが原因となっており、内服薬での治療、進行している場合はカテーテル治療、手術などが必要になります。
狭心症
狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)を養う冠動脈の内腔が狭くなって、心筋に十分な血液が流れなくなる状態です。
これにより心臓に必要なだけの栄養と酸素がなくなり、心臓がうまく働けなくなります。
この時に、胸が締め付けられるような痛みを感じます。これを狭心症の発作と言います。
※狭心症の発作は長くても15分程度ですので、15分以上痛みを感じるようであれば心筋梗塞の可能性があります。
内服薬での治療、進行している場合はカテーテル治療や手術などが必要になります。
心筋梗塞
心筋梗塞とは、冠動脈が閉塞することにより心臓の筋肉(心筋)に栄養と酸素がいかなくなり壊死することによって起きる病気です。
壊死した心筋は収縮する力がないため、心臓の働きが悪くなってしまいます。
冠動脈が閉塞した直後の状態を急性心筋梗塞と呼び、最も痛みの激しい病気の代表で、死の恐怖を感じるほどに胸が締め付けられるように痛くなります。
多くの心筋が壊死してしまうと心臓のポンプとしての機能がとても悪くなるため、全身で必要なだけの血液を送り出すことができなくなります。
急性心筋梗塞になった場合、血流をなるべく早く戻す手術をする必要があるため激しい胸の痛みがあった際はすぐに救急車を呼びましょう。
心臓弁膜症
心臓弁膜症とは、心臓にある4つの弁が異常を起こしている状態のことです。
心臓は全身に血液を循環させる働きをしており、血液を効率よく送り出すために、ある程度血液をため、押し出した後、血液が後戻りしないようにするためにこの4つの弁が必要となります。
弁膜の病気としては弁の開きが悪くなる狭窄症と、弁の閉じ方が悪くなる閉鎖不全症(逆流)があり、これらを総称して心臓弁膜症と呼びます。
弁の働きが悪くなるとポンプとしての効率が落ちるため心臓に負担がかかります。進行すると徐々に息切れ、呼吸困難、むくみ等の症状が出ます。
内服薬での治療、進行している場合は外科的手術で弁膜の修復または交換する必要があります。
大動脈瘤
大動脈瘤とは、血管組織の損傷により動脈内腔が部分的または全体的に拡張して大動脈にこぶを形成する病気です。
大動脈は心臓から送り出される血液が最初に通る、人体の中で最も太い血管で、治療せずに放置し破裂した場合、大出血をおこし死亡する恐れがあります。
破裂してから救命することは難しい場合が多く、ある程度の大きさになると破裂の予防のために治療が必要となります。
大動脈に瘤が存在しても自覚症状はなく、健康診断などで発覚することがほとんどですのでこまめに検査をしておくと安心でしょう。